あとがきの話
- 2025.12.29
単行本と文庫本にはサイズや価格以外にもいくつかの違いがありますが、
多くの場合、単行本(B6判や四六判などのサイズが多いです)にはなくて、
文庫本にはあるものをご存知でしょうか。
それは、「あとがき」「解説」です。
私はこの「あとがき」や「解説」が結構好きです。
その本が書かれた経緯やその時の作者の心情が書かれていて、作者の人柄に触れることができたり、
別の有名な作家さんによって書かれた解説があまりに面白くて、その作家さんの作品を読んでみようと思えたり、
新しい発見や出会いをもたらしてくれることも多いと思います。
解説での視点が自分の感想と同じだと「わかる!」となり、
自分とは違った視点で書かれていると「そういう意味か!」とまた読み返して楽しめるのです。
私が特に好きなあとがきがあります。
「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ・著/文春文庫)のあとがきです。
映画化もされましたし、本編はやさしさと愛情に満ちていて素敵な内容なのはもちろんのこと、
「あれは…」から始まり、そして最後の3行、読者へのメッセージで美しく締めくくられた
この文庫本のあとがきに私はすっかり心を掴まれてしまいました。
小柄で可愛らしいイメージの女優さん(であり歌手でもある方)が書かれています。
気になった方はぜひ文庫本を手に取って、目を通していただきたいです。
素敵なあとがきは、わずか数ページで、
物語を読み終わったあとの高揚感を、誰かと共有できたような嬉しい気持ちにさせてくれます。
もうすぐ今年も終わりを迎えます。
一年の終わりも、そんな素敵なあとがきのように、
充実した気持ちで締めくくれたらといいなぁと思います。
2025.12.29













