少額な返還インボイスの交付義務免除
- 2024.01.31
適格請求書(インボイス)発行事業者が返品や値引きなどの理由で対価の返還を行う際には、
適格返還請求書(返還インボイス)を発行する義務がありますが、
対価の返還等の金額が税込1万円未満である場合は、返還インボイスの交付義務が免除されます。
よくある取引上の取り決めで、買い手側から代金が支払われる時に振込手数料が差し引かれて入金する、というパターンがあります。
この場合売り手側では、差し引かれた振込手数料を支払手数料または売上の値引きとして
処理するのが一般的です。
振込手数料は通常税込1万円以上にはなりませんので、
少額な返還インボイスの交付義務免除制度により、振込手数料相当額を売上の値引きとすることで、
インボイス制度下においても返還インボイスの交付義務が免除され、
制度開始前と同じように処理することができます。
経理処理において振込手数料相当額を支払手数料とする場合でも、
消費税法上の売上に係る対価の返還等として処理することが可能です。
ただし、適用税率をもとの課税資産の譲渡等の税率に合わせなければならない点や、
必要事項の帳簿記載・保存をしなければならない点など、通常の支払手数料とは扱いが異なりますので、
判別できるように対策をしておくことが望ましいです。
2024.01.31