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資本金1万円の会社に起こる悲劇

制度上は、資本金1円でも株式会社を設立することができます。
学生起業家、あるいはサラリーマンの副業など、軽い気持ちで事業を始める場合は、
まずは少額の資本金でスタートし、
事業が軌道に乗ったところで、「増資」などを検討するといったお考えでも
いいのかもしれません。

しかしながら、本気で事業を始めようとお考えの方は、
少額の資本金は避けたほうが無難です。

本日は、資本金1万円の会社に起きてしまったいくつかの事例を紹介します。

①創業時に融資が受けられない
創業後2期を経過していない会社が受けることができる、日本政策金融公庫の創業融資。
まだ売上がなくても、代表者の経歴や今後の事業計画をもとに審査される融資ですが、この審査では、資本金(=自己資金)により借りられる金額が大きく変わります。
融資の要件にも記載されていますが、
「創業に必要な1/10以上の自己資金があること」が必要ですので、
資本金が1万円である会社は、現実的でないと判断され、借りることができません。

②法人口座が作れない
昨今、法人の銀行口座を作ることが難しくなっています。
私どものお客様の話では
「新規口座開設の申込をして、実際に手元に通帳が届くまで2週間かかる」
と銀行から説明を受けたということもありました。

資本金1万円で会社を設立した場合、
本当にその会社は事業を始めるつもりなのか
=1万円では何もできないよね
=架空の会社ではないの?
  という見方をされても仕方がありません。

 ある程度まとまった資金がある法人であっても、新規口座開設が難しい今日、
資本金1万円の法人の場合、口座開設できないということも十分にありうる話です。

③スムーズに増資ができない
上記①で説明したとおり、資本金1万円の場合、融資が受けられないので、
増資をすることにしました。
増資を行う際は、登記手続き上、法人口座に入金をすることが必要です。
しかしながら、上記②で説明したとおり、資本金1万円の場合、
簡単には法人口座が作れません。

口座が作れない→増資ができない→融資が受けられない
この負のトライアングルに陥ってしまうと、簡単には抜け出せません。
代表者の方が、何度も銀行に出向いたり、必要書類を取得したりと、
時間も手間もかかってしまい、貴重なビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。

いかがでしょうか?
今から会社を設立する経営者のみなさん、
後々のことまでよく考えて、資本金の金額は決めるようにしましょう。

2019.01.16

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