作成者別アーカイブ: 松丸

加算税ってなんだろな

2015.4.2の記事で「附帯税」の「延滞税」について触れました。

おさらい「附帯税」
本税以外の過少申告加算税や無申告加算税、不納付加算税、延滞税や利子税、重加算税は
「附帯税」と総称されています。それぞれの税種によって算出方法は異なります。
大きく「加算税」「延滞税」「利子税」の3つのカテゴリーに分けられます。

今回は「加算税」について記載します。

◇加算税とは
税金を納付しなかった際に課せられるペナルティで、隠蔽や偽装などが疑われる場合には、
行政罰として更に重い課税が与えられます。

以下4種類があり、本税に加えて支払う必要があります。

■過少申告加算税
確定申告は期限内に済ませたが、申告書に記載された納税額が過少だった場合に課税されます。

・追加納税額の10%が課税されます。
但し、期限内に申告した当初の納税額か50万円のどちらか多い方の金額を越えている場合、
その部分は15%になります。
・税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

■無申告加算税
確定申告を期限内にしなかった事に加え、納付すべき税金があった場合に課税されます。

・原則50万円までは15%、50万円を超える部分には20%が課税されます。
但し、税務署から指摘される前に自主的に期限後申告をした場合には、5%に軽減されます。

■不納付加算税
源泉徴収による所得税を納付期限内に納付しなかった場合に課せられます。

・納付すべき税額の10%が課税されます。
但し、税務署から指摘される前に自主的に納付した場合には、5%に軽減されます。

■重加算税
上記が課税される場合で、仮装や事実の隠蔽により申告をした場合、
または申告をしなかった場合に課税されます。
過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税に代わって課せられます。

それぞれ以下のように課税されます。
・過少申告加算税の代わりに、新たに納める事になった税額の35%
・無申告加算税の代わりに、納付すべき税額の40%
・不納付加算税の代わりに、納付すべき税額の35%

○前述の延滞税や、今回記載した加算税は税率が高く、高額になる場合があります。
期限内に正しい申告と納付を行いましょう。

 

法人税等の申告期限延長は可能!

意外と知られていないですが、決算後の法人税等申告期限は延長できるのをご存知ですか?

法人税等の申告期限延長の条件は次の通りです。

・定款で株主総会が決算日から3カ月以内と定められていること
・決算日の翌日から45日以内に延長手続きを行っていること

定款で株主総会を決算日の2カ月以内としてしまっている場合でも
定款を変更する事で3カ月まで延長できます。
※一部連結納税対象法人を除く

★注意!
・延長できる税金の種類は、法人税、住民税、事業税となり、
消費税、地方消費税は延長する事ができません。
・申告期限の延長であって納付期限の延長ではありませんので
延長する場合、見込納付を行いましょう。

申告期限の延長を行う場合は税金の種類により届け出が必要です。
各税金の届け出先は次の通りです。

○法人税
届け出先:税務署
・国税局

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_12.htm

・申告期限の延長の特例の申請書

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/pdf2/035.pdf



 

○都道府県民税(住民税)、事業税
届け出先:各都道府県税事務所
手続き方法については各都道府県税事務所にお問い合わせください。

○市町村民税(住民税)
届け出先:各市町村の役場
手続き方法については各市町村の役場にお問い合わせください。

「青色事業専従者給与」は届出が必要!

「青色事業専従者給与」は届出が必要!

青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする場合の手続きです。

専従者給与とは・・・
生計を一にする配偶者、その他の親族へ支払う給与の事です。

必要経費となる青色事業専従者給与額は、
支給した給与の金額が次の状況等からみて相当とみとめられるもので、
しかも、この届出書に記載した金額の範囲内のものに限られます。

1 専従者の労務に従事した期間、労務の性質及びその程度
2 あなたの事業に専従するほかの使用人の給与及び同種同規模の事業に専従する者の給与の状況
3 事業の種類・規模及び収益の状況

※ 青色事業専従者の要件とは、
1.青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること、
2.その年12月31日現在(専従者又は青色申告者が年の中途で死亡した場合には、
それぞれ死亡当時)で年齢が15歳以上であること等です。

届出の提出は、
青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に
開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から
2ヶ月月以内)に提出してください。
なお、提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

延滞税ってなんだろな

確定申告は無事済みましたでしょうか?

所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、
翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い(2015年は3月16日まで)、
所得税を納付することになっています。
しかし、期限内に確定申告を忘れた場合でも、自分で気が付いたら
できるだけ早く申告するようにしてください。
この場合は、期限後申告として取り扱われます。

法定期限までに確定申告をしなかった場合、あるいは支払うべき税金を
期限までに納付しなかった場合、「附帯税」といわれるペナルティが課されます。

これらのペナルティは納付するべき税金にプラスして支払う必要があるので、
申告を失念するようなことがないように注意しましょう。

◆附帯税とは

本税以外の過少申告加算税や無申告加算税、不納付加算税、延滞税や利子税、重加算税は
「附帯税」と総称されています。それぞれの税種によって算出方法は異なります。

大きく「加算税」「延滞税」「利子税」の3つのカテゴリーに分けられますが、
今回は「延滞税」について記載します。

◇延滞税とは

附帯税に含まれる延滞税は、法定納付期限である3月15日までに支払われるべき税金を
完納していない場合に科せられるペナルティです。
また、期限後に修正、更正または決定の処分を受けた際、
納めるべき税額が不足していた場合にも延滞税が発生します。

原則として法定納付期限の翌日から納付するまでの日数を元に計算されますが、
本税が10,000円に満たない場合、延滞税は発生しません。
※雇用者が源泉徴収で支払うべき所得税の徴収を怠った場合、
源泉徴収を受ける側である非雇用者が延滞税を科されますのでご注意ください。

◇延滞税の計算方法

・納付期限翌日から2カ月の間
原則として年率「7.3%」または「特例基準割合に1%を加えた割合」のどちらか低い方を
「納税すべき額」に乗じ、その値に「税金の完納期限の翌日から完納されるまでの日数」に応じた割合
(「税金の完納期限の翌日から完納されるまでの日数」/365) で求められます。

・2カ月を超える期間の場合は
年率「14.6%」か「特例基準割合に7.3%を加えた割合」のどちらか低い方を「納税すべき額」に乗じ、
「税金の完納期限の翌日から完納されるまでの日数」に応じた割合
(「税金の完納期限の翌日から完納されるまでの日数」/365)で割って算出します。

尚、特例基準割合とは、前年の銀行の新規の短期貸出約定平均金利に年1%分を加えた割合のことを
いいます。

◎確定申告や納税に遅れた場合は上記のように様々なペナルティが存在するので、
遅れないように気を付けましょう。
間に合わない場合は、書類が完全でなくても一旦提出し、後日修正申告するという手段もあります。
もし、まだ確定申告がお済みでない場合はできるだけ早く申告しましょう。

分かり辛い?実は簡単?事業主勘定

○事業主勘定について○

個人事業主の方の記帳に関して悩ましく感じるのが事業とは関係のない
個人的な入出金ではないでしょうか?
多くの方が事業用の通帳からプライベートの支出や収入があった際など、
事業には関係ないけどどう処理すべきかと悩んだ経験はありませんか?

しかしスルーしていると、いざ確定申告の時期に預金や現金の残高が合わない!
という事が起こってしまいます。
こんな時に登場するのが事業主貸勘定・事業主借勘定になります。
わかりやすく言うとプライベートな自分からの貸し借りの科目です。

◆個人が事業にお金を貸す

個人から事業用の資産へお金を移動させた場合、
事業用の経費を個人のお金から支払った時などに使う勘定科目が「事業主借」です。

具体的な仕訳例として・・・

・事業用の口座の残高が足りなくなりそうな時に、個人的なお金(100,000円)を預入した時

→ 普通預金 100,000 / 事業主借 100,000 : 事業主より借入

・事業用の交通費1,190円を、個人用の現金から払った時

→ 旅費交通費 1,190 / 事業主借 1,190 : 事業主より借入

◆個人が事業からお金を借りる

事業主の生活費は経費にならないため、個人の支出と事業の経費を明確にしなければなりません。
この時に使う勘定科目が「事業主貸」です。

・事業用の口座から生活資金等の個人的な引出(100,000円)をした時

→ 事業主貸 100,000 / 普通預金 100,000 : 事業主へ貸付

・事業用の口座から、個人にかかる保険料25,000円を払った時

→ 事業主貸 25,000 / 普通預金 25,000 : 事業主へ貸付

◆事業用口座に入金される預金利息

利息にはすでに税金が掛かっているので、事業の収益(事業所得)として計上すると
二重で課税されてしまいます。
事業所得ではないことを記録するために預金利息が発生した時は次の様な仕訳になります。

*利息20円の場合

普通預金 20 / 事業主借 20 : 預金利息

「事業主借」「事業主借」言葉として難しく聞こえる部分はあるかもしれないですが、
要するに「事業用のお金」と「私生活のお金」の流れを示す勘定科目の一つです。

◆◆確定申告時の処理の仕方

「事業主借」は、事業という単位の会計から見れば借金、つまり「負債」です。
反対に「事業主貸」は貸付金、つまり「資産」になります。
決算時にはこれらを相殺します。結果、どちらか一方の残高のみになります。

この残高は、そのまま青色決算書、貸借対照表に計上したままで問題ありません。
この「事業主借」も「事業主貸」も、事業の会計からみれば、貸借関係にすぎません。
つまり「売上」でも「必要経費」でもありません。

したがって、年末の決算で残高が存在していても
所得税の計算をする元の金額となる「所得金額」には影響しません。
残高で、翌年に繰り越した「事業主借」または「事業主貸」は、別にあってはならないものではなく、
個人事業では普通に発生する「貸借」ですので、返せるときは返せばいいでしょうし、
足りない時は「貸す」しかありませんので、発生した際に記帳し、決算でいったん相殺すれば、
特別税務上問題はありません。

確定申告の際は、事業主貸と事業主借を相殺した残高の差額を、元入金に反映させます。

『事業主貸 < 事業主借』の場合
⇒事業の元入金から事業主貸の分だけ減らします。

『事業主借 < 事業主貸』の場合
⇒事業の元入金から事業主借の分だけ増やします。