消費税の仕組み「本則・簡易」の違い
2017.06.01
消費税の計算方法には「本則課税制度」と「簡易課税制度」の二種類があります。
●「本則課税制度」とは
消費税の原則的な計算方法です。
課税売上に係る消費税から課税仕入れなどに係る消費税額を引いて計算します。
●「簡易課税制度」とは
実際に仕入れた際に支払った消費税の額は考慮せずに、
課税売上に係る消費税に業種別に決められたみなし仕入率を乗じて計算します。
簡易課税制度は、中小企業の負担を配慮して導入された制度です。
それではどんな場合に、簡易課税が得なのでしょうか。
みなし仕入れ率は以下のように業種別に定められています。
・第一種事業(卸売業)…90%
・第二種事業(小売業)…80%
・第三種事業(製造業)…70%
・第四種事業(その他飲食店・金融・保険業等)…60%
・第五種事業(不動産・運輸通信・サービス業)…50%
課税売上に対する課税仕入れの割合が
実際に計算するよりもみなし仕入れ率で計算した方が高い場合は、消費税の納税が少なくて済みます。
たとえば小売業の法人で
売上に係る消費税額が100万円で仕入に係る消費税が70万円である場合
本則課税制度での納税額は
100万-70万で30万円になります。
簡易課税制度での納税額は
100万-80万円(100万×80%)で20万円になります。
この場合は簡易課税制度の方が10万円納税額が少なくなりお得です。
簡易課税制度を適用するには下記の条件が必要です。
・基準期間(前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下
・摘要事業年度の前日までに届け出を提出
ただ、簡易課税制度を選択した場合、2年間は変更できないので注意が必要です。
大きな課税仕入が発生し、仕入に係る消費税額が増えると、本則課税制度の方が還付を受けられ有利です。
しかし簡易制度を選択した場合、2年間は変更できません。
この場合は還付を受けられませんので選択する際には注意しましょう。
2017.06.01