新しい期の記帳は期首仕訳から
2017.04.04
確定申告も終わり、新しい期が始まりました。
会計上、決算残高勘定を用いて行った決算振替仕訳の逆仕訳、いわゆる開始仕訳を行ってから帳簿をつけはじめます。
一般的に主なものが下記にあげるものです。
未収収益
前受収益
前払費用
未払費用
これらは、期首に収益と費用の見越し、繰延べ再振替仕訳をしないといけません。
決算仕訳を思い出しながら合わせて見ていきましょう。
今回は未収収益と前受収益の2つについてご説明します。
■未収収益
未収入金と似ていますが、未払収益は継続的なサービスの提供を行う場合において、代金を後払いで受け取る場合など
未だに受取っていない代金のうち、当期末の段階においてすでにサービス提供を行った部分に対応する金額を、当期の収益とするために
使用します。要するに支払期日が到来していない未確定の債権です。
例:12月決算の会社が12/15-1/15まで賃料100,000円を期末時点で受取っていない
未収入金はサービス提供や物品の引き渡しが全て完了しているにも関わらず、代金を未だに受け取っていないものなどに対して使用します。
こちらは支払期日が到来した確定の債権です。
例:12月決算の会社が12/1-12/31までの賃料を期末時点で受取っていない
未収地代家賃・未収利息・未収手数料などを貸借対照表に表示する際に未収収益勘定とまとめられますが、
記帳する時に最初から未収収益勘定を使用し補助科目などで区別すると分かり易いです。
未収収益の(例:12月決算の会社が12/15-1/15まで賃料100,000円を期末時点で受取っていない)から考えてみます。
*決算時
未収収益:家賃 50,000 / 受取家賃(12/15-12/31)50,000
*翌期首
受取家賃(12/15-12/31)50,000 / 未収収益:家賃50,000
*入金時
現金100,000 / 受取家賃(12/15-1/15)100,000
■前受収益
前受収益は、一定の契約に従い継続してサービスの提供を行う場合、いまだ提供していないサービスに対し支払を受けた代金をいい、
翌期以降の期間に対応する部分を翌期以降の収益とするために使用します。
例:12月決算の会社が10月-翌3月分の賃料600,000円を期末以前に受取った
前受金とはサービス提供や物品の引き渡しが行われる以前に受取ったに代金などに使用します。
例:12月決算の会社が翌1月-3月分の賃料を期末以前に受取った
前受収益の(例:12月決算の会社が10月-翌3月分の賃料600,000円を期末以前に受取った)から考えてみます。
*決算時(入金時)
現金600,000円 / 受取家賃(10月-12月) 300,000円
/ 前受収益:家賃(1月-3月) 300,000円
*翌期首
前受収益:家賃(1月-3月) 300,000円 / 受取家賃 300,000円
文章にすると少しややこしく感じますが、どのサービス分をどの段階で受取ったかによって使う科目を区別すればシンプルに理解できるのではないでしょうか。
次回は前払費用・未払費用についてご説明していこうと思います。
2017.04.04