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青色申告取消について

2016.09.02

青色申告が取り消された場合の一番のデメリットは、

取り消された事業年度の赤字(欠損金)の繰越ができなくなることです。

 

第2期が赤字だったら、もし3期目が黒字になったとしても、2期目の赤字とは

相殺して申告することができないので、税金が増えてしまうケースも出てきます。

 

なお、上記の場合は第1期目は、青色申告が認められます。

 

また注意しないといけないのは、年度をさかのぼって青色申告が

取り消されるケースもあるということです。

税務調査は、通常3年、5年とさかのぼって行われます。

例えば、3年前の申告分に所得もれなどが発見され、その年度の青色申告が取り消されることがあります

その場合、その年度だけでは済みません。それ以降の申告もすべて

白色申告として扱われることになります。

 

・法人税法と所得税法

所得税法とは違い、法人税法は、一定の事由が存する場合、税務署長に青色申告の

承認を取消す権限を付与しています。その一定の事由の一つとして、

確定申告書をその提出期限までに提出しなかったことを挙げています。

「1回でも期限内提出を怠ったら、直ちに青色承認取消し可」との内容ですが、

実際は2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合に行うものとの取扱いをしています。

 

では、所得税でも同じか?

2回連続して期限後申告としてしまった場合、所得税においても法人税と同じく

青色申告承認の取消しを受けてしまうのでしょうか。

所得税法では、法人税法と異なり確定申告書の期限内提出がなかったことを理由とする

青色承認取消しは認めていません。

従って期限後提出を何回しても、それを理由とする青色申告承認の取消しを受けることはありません。

 

なぜ所得税は法人税と違うのか?

所得税の場合は法人税と異なり、確定申告期限を任意に選択できません。

この違いが青色承認取消しの取扱いの相違の最大の理由と思われます。

税理士など、還付申告となるケースの多い納税者が繁忙期を避けて期限後に申告する場合など、

国に対する協力とさえいえることなので、そんな場合に青色申告の取消しを敢えてすることは

不合理なことです。

 

法人税と所得税のどちらの基準が合理的か?

青色承認を受けていても、期限後申告の場合は、青色申告での特典の多くを享受できません。

従って、期限後申告に対して青色承認の取消しと言うペナルティーを課すことに

合理的理由を見出せません。

青色申告制度が、一定の帳簿書類を備え付け、信頼性のある記帳をすることにより、

所得及び税額の計算根拠を検証可能とした納税者に対し一定の手続上の保障や所得計算上の

特典を与えるものです。

ですのでこの信頼を裏切る場合にのみ承認取消しをすればよいと考えます。

 

以上、青色申告が取り消されると、上記のようなデメリットが発生しますので、メリットはありません。

とにかく期限内に確定申告をしましょう!

2016.09.02

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